新型コロナウイルス(covid-19)の感染拡大を受け、アメリカ、ヨーロッパを中心に外出禁止の政府指示が出ているエリアが増え、クライミングジムの休業や岩場の利用禁止・自粛が拡大しています。それを受けてクライマーの間で、(social distancing)をお互いに促すとともに、在宅でのトレーニング方法をシェアする動きが拡大しています。
日本においても、休業するジムが出始めていましたが、東京都では3/28,29の週末に外出を自粛するように都知事からの依頼が出た事を受け、これらの動きが拡大することも想定される状況です。
今後の動向次第ですが、日本においても外出禁止の拡大が進んだ際には、在宅でのトレーニングが有効になると思いますので、海外発でシェアされている在宅トレーニングの情報をまとめておきます。
手指、肩のトレーニング
フィンガーボード、ダンベル
今回、かなり早くからアクションしていたのはTom Randoll率いるLattice Trainingです。この動画では、手指、肩について、フィンガーボード、ダンベルを使用したトレーニングと注意点を解説しています。
Climbing Training At Home - What Is Best?
- フィンガーボードにぶら下がる姿勢は、実際のクライミングと異なり、両手が肩より上に上がりっぱなしなので、そればかりやるのは良くない
- ピンチブロックなどに重りをぶら下げて保持するトレーニングなどと併用し、トレーニングのバラエティを広げる
- ホールディングの鍛える割合はハーフクリンプ50%、4本指オープン20%、3本指オープン20%、フルクリンプは10%未満
- ガバホールドで、肩のエンゲージメントも鍛えた方がいい(shrug pull up)
- フィンガーボードがなければ、ダンベルでフィンガーカール、リストカール、リバースリストカールなどを行い、前腕の筋肉を鍛える
フィンガーボードを使用したトレーニングについては、本ブログでも以下の記事で扱ってますので参考にしてください。
フィンガーボードで筋肥大できるか(アイソメトリックの話) - May the friction be with you!
フルクリンプ鍛えるべきか問題(海外編) - May the friction be with you!
携帯型フィンガーボード
フィンガーボードは、なんらかの方法で固定する必要があり、住宅環境によっては少し設置しづらいこともあると思います。バスタオルと携帯型フィンガーボードがあれば実施できるシンプルなトレーニング方法をpowercompany climbingが紹介しています。
Home Finger Strength for Climbers with Minimal Equipment
バスタオルを支点にしてドアを挟んで、しゃがんだ状態でフィンガーボードを引っ張ります。自身の力の入れ具合で負荷を調整するので、クレーンスケールなどを使うと、何kgの負荷となっているか確認できます。
体幹のトレーニング
Latticeは道具がほぼ不要な体幹トレーニングメニューをまとめています。
Lattice 6 Minute Core Workout: Floor Based!
30秒ワーク30秒レストを6メニュー実施することで、1セット6分で終わるコンパクトなメニューです
上半身拮抗筋、足(3/28追記)
腕立て、ピストルスクワットなど、拮抗筋や足のワークアウトが、まとまった動画です。初心者、中級者、上級者毎に段階的にワークを提案してくれているので、自身に合ったワークを見つけやすいと思います。
Home Workout | Rebalance & Rebuild Your Body!
このチャンネルは、初心者向けにクライミングのムーブの考え方やコツもわかりやすく解説していておすすめです。
在宅トレーニング用具
TrainingBetaでは、今までに出てきたフィンガーボードやダンベルの他、TRXやケトルベルなど、自宅でトレーニングする際に有用かつ場所を取りにくい用具をまとめて紹介しています。
これらの用法をpodcastで解説してるので、合わせて聞いてみるのもいいかもしれません。
終わりに
上記の他にも様々なサイトでトレーニング情報がシェアされていますので、有用なものがあれば追記していこうと思います。ジムや岩場のクローズが進まずに済めばそれに越したことはありませんが、在宅でトレーニング環境を整えるのは、今回の事態が収束した後にも無駄になるものではありませんので、この機会に備えておくのもよいのではないでしょうか。