アクセスファンドによる岩場利用ガイドライン(covid-19対応)

新型コロナウイルス(Covid-19)の感染拡大に伴い、各国の岩場でのクライミングも登攀禁止・自粛等の対応が行われていますが、徐々に規制解除に向けた議論が開始されています。アダム・オンドラの母国であるチェコでは、政府が段階的な規制解除のロードマップ案を4/14に公開しており、4/20から、プロアスリートに限りアウトドアトレーニングが解除され、アダムがさっそく8cの高難度ボルダー課題を登ったことを、自身のインスタグラムにて報告しています(4/28)。
アメリカではアクセスファンドが将来的な岩場の再開も見据えたガイドラインを公開しました。日本における将来の岩場クライミング再開に向けて参考になる内容ですので紹介します。

アメリカのクライミングエリアアクセス状況

アクセスファンドにて各岩場の規制状況を取りまとめて、以下のページ上で公開しています。

www.accessfund.org

いくつかの州ではStay at homeの要請を解除する動きが出始めているものの、このページを見ると、Rocky Mountain Notional Park、Bishop、Yosemiteなどを含む多数のエリアがまだ規制中であることがわかります。

参考までに、日本では有志として宮下さんがまとめてくれてます。ありがとうございます。

岩場利用のガイドライン

アクセスファンドは、コロナウイルス対応は長期化することを見据え、公衆衛生に配慮したクライミングガイドラインを制定しました。現時点でも、将来に渡っても、適用可能なガイドラインとなっています。統一的なガイドラインのため、あまり細かいことは書いていませんが、参考にポイントの意訳を記載します。

Chill out

  • できれば登りに行かない。クライミングギアやビレイ場所、狭いトレイルをシェアするため、ソーシャルディスタンスに最適な活動ではないことを理解する。

Minimize Everything

  • 感染拡大のリスクを受ける岩場近接地域へ配慮し、遠征はしない。家の近くの岩場に行く。
  • 混んでいる岩場やピークタイムは避ける。
  • 集団で行かない。多くても、自分とパートナーの2人。

Be prepared

  • 行政のガイドラインに従う
  • 土地所有者、ローカルクライミングコミュニティの指示に従う
  • 上記を事前にきちんと調べておく
  • 最初に選択した岩場が混んでいたら、諦めて別の岩へ転進する

Protect health and safety

  • ソーシャルディスタンスを保つ
  • 岩場に行く前と後で手を洗う
  • 携帯トイレを持ち歩く
  • マスクの着用を心がける
  • 救助隊をできるだけ出動させずに済むように、はしゃぎ過ぎない

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Access Fundによるコロナウイルス感染拡大中のクライミングガイドラインhttps://www.accessfund.org/open-gate-blog/climbing-during-the-coronavirus-pandemic

具体的な各岩場のアクセスは、上記のガイドラインをふまえつつ、各岩場毎に岩場所有者等との交渉が進められていくことになります。