肩のリハビリの記録(前編)

今回は、管理人自身の故障に対するリハビリの状況を、自身の備忘もかねて紹介します。主要な部位では、肩、肘、指で故障歴があります。そのうち、肩は概ねクライミングに支障がない状態まで回復しておよそ半年経ち、現在まで問題なく登れているので、リハビリ完了と判断して今回紹介します。

特に学術的なエビデンスを共有するものでもありませんし、管理人1人の個人的な事例に過ぎないので、こういうこともあるんだな、くらいに受け止めてください。

前編として、管理人の肩の症状・診断結果・治癒までのタイムラインなどを紹介します。具体的なリハビリの内容は後編でまとめるつもりです。

管理人のプロファイル

ライミング経験・・・20年強

ライミングの嗜好・・・ボルダリング、スポーツクライミング、トラッドクライミング

身長/体重・・・174cm/67kg

性別・・・男性

肩の故障履歴

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ライミング経験が浅い頃にひどく痛めたものの、その後は20年近く、つい最近まで肩の痛みに悩まされることはなかったです。クライミングの頻度について、ジムに連日行く事は基本的に避けていたのと、滞在時間も2時間程度でさっと上がることが多かったので、急性障害にはなりにくかったのかもしれません。

しかし、2019年頃から、手を真上に上げたり(挙上)、手を地面と水平にして体の前に持ってくる動き(水平内転)すると痛むようになりました。インピンジメント症候群かなと想像しながら、医者には行かずに過ごしていました。

激しいデッドポイントをすると結構痛む時があったので、なるべくそういうムーブは避けて登っていればそのうち治るだろうと踏んでたんですが、改善せずに時間が経っていきました。

リハビリ開始から治癒までのタイムライン

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ずるずると痛みを抱えながらクライミングを続けてましたが、2019年9月にジムで指を痛めて殆ど何もできずに帰宅している時、ふと「体ボロボロだな。。」という言葉が口をつきました。一度しっかり故障を治して、再び故障しないように悪い癖は改めて、痛みのないクライミングを楽しみたいと思いを新たにした日です。

その日から1か月クライミングを休み、更に2か月半ほど、軽度のクライミングをしながらリハビリをして、肩については合計3か月半でほぼ痛みが無い状態まで回復できました(残念ながら指の故障は治りきらずにオンゴーイングで、もう一度向き合わなければなりません)。

診断

タイムラインにも書きましたが、リハビリ開始に先立って、整形外科を受診して症状を診断してもらいました。

最初に受診した整形外科では、「変形性肩関節症」と診断されました。変形性肩関節症は、上腕の関節部分である上腕骨頭とその受け皿となる肩甲骨の関節窩において、軟骨がすり減ったり骨棘と呼ばれるとげ状組織ができて凸凹になり、滑らかに動かなくなって炎症が発生する症状です。一般的な対処としては、痛み止め等の対症療法を行いつつ、現状以上に変形が進行しないように肩の使い過ぎを避ける消極的対応が基本となるようで、指示された治療方針もその通りでした。

一方、次に受診したスポーツ整形のAR-EX尾山台整形外科では、診断名としては「肩関節周囲炎」と診断されました。レントゲンを撮って肩関節の変形も確かに確認できるものの、それ自体はそれ程問題視されず、肩甲骨(肩甲胸郭関節)の可動性制限、肩後方組織の硬さが根本的な原因と推測されるとのことでした。

 腕を真上方向に上げる動きを例にすると、上のツイート動画のように150度上げる場合、上腕骨の肩関節を中心とした回転は110度程度で、残りの40度は肩甲骨の回転(上方回旋)が受け持っています。肩甲骨がスムーズに動かないと、上腕骨側に無理な動きが発生して周囲の軟部組織の挟み込み(インピンジメント)などが起きやすくなります。

診断の結果、理学療法運動療法でリハビリを行うこととなり、無事ほぼ痛みのないレベルまで復帰することができました。

診断を受けてよかったこと

自身の症状に対する対応が、手術が必要か、リハビリで治るのかといった具体的な指針が確認できたのは精神的な安定材料として大きかったです。結果的にリハビリで対応できましたが、これが例えば、関節唇がひどく損傷している、といった症状だと手術での修復が必要になります。

思えば、リハビリに踏み切れなかった精神的な障壁は、「だましだましなら登っていられるのに、受診して手術が必要になったら、一年くらいクライミングできなくなってしまうかもしれない」という疑念が一番大きかったところです。これについては、管理人の個人的な結論としては、「手術いらないかもしれないから受診してみればいい、手術必要となったらその時考える」です。短絡的かもしれませんが、現状を把握できずにウジウジ悩むより100倍マシだったなと思います。もし手術が必要という診断だったとしたら、治療方針としては全く誤りだと思いますが、直近のゴール的な目標課題を登るまではだましだまし乗り切ってそれから手術を考える、なんて事も選択肢としてはありえますので。

受診する整形外科の選択

最初に受診した一般的な近所の整形外科は、正直時間の無駄になってしまいました。安静の指示と、消炎鎮痛剤の処方しかされず、根治に向けた道筋は示してもらえませんでした。スポーツによる慢性的な障害に対しては、生涯スポーツを継続したいという意思に寄り添って、運動療法理学療法を継続的にサポートしてくれるスポーツ整形に最初から行った方がいいです。

まとめ

あくまで個人的な経験になりますが、まとめると

  • 痛みがあるのであれば、あまり悩まず、原因を特定するために医療機関を受診した方がよい
  • 医療機関は、運動療法理学療法を継続的にサポートしてくれるスポーツ整形が望ましい
  • 痛みがない状態が普通、ちゃんとその状態まで治して登った方が気持ちいい

といったところです。後編では、実際に行ったリハビリ内容を具体的に記録しておこうと思います。