2021年1月~3月の振り返り/4月~7月の計画

今回は個人的なトレーニングの記録です。2021年に入ってから、3か月のトレーニング/リハビリ計画を立てて実行してきました。その3か月間を振り返るとともに、反省点をふまえて次のトレーニングブロックの計画を立てています。

1月~3月のトレーニング/リハビリ状況

年始に立てた計画では、以下の2点をポイントとしていました。

それぞれについて、実行結果を振り返ってみます。

 

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左手中指のリハビリ

こちらはかなりリハビリが進み、課題を選べば、カチで握りこむ課題も全力でトライできるようになってきています。リハビリ開始から半年、ようやくここまで来ました。

1月時点では、Latticeの20mmハングボードに両手でぶら下がろうとすると、左手中指のPIP関節に痛みが出る状態でした。現在は、オープンクリンプ、ハーフクリンプどちらの握り方でも痛みなくぶら下がれるようになっています。

このくらいのサイズのエッジに痛みなくぶら下がれるようになると、よほど厳しいカチホールドが無い限り、岩場の一級~初段くらいの課題が本気トライできるようになります。そのため当初の計画では、岩場でのクライミングはクラック中心にして、指を酷使しないつもりでしたが、2月頃からフェース課題へのトライを開始しています。湯河原でハイボール課題も登ることができ、だいぶ感触が戻ってきた印象です。

現状、痛みが出るシチュエーションは、強傾斜でのフルクリンプのみとなっています。これまでのリハビリでは、オープンクリンプとハーフクリンプの2つに握り方を絞っていました。最後の仕上げとして、次回のトレーニング期間では、フルクリンプでも少しずつ負荷をかけるようにする予定です。

期分けした体力トレーニン

実のところ、クライミング以外のトレーニングとして、ウェイトや自重でのフィジカルトレーニングをみっちり計画的に行なったのは、ほぼ初めての経験でした。そのためトレーニング自体がうまくいったかどうかの評価は難しいのですが、ひとまず計画通りやり切った状況です。

例として、パワートレーニングのフェーズにおける実行日程を以下の表に示します。

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レーニングの順番としては、パワートレーニングを2日行ったら、ストレングスとエンデュランスを維持するためのメンテナンストレーニングを1日入れます。そして、パワートレーニングを8日行ったら、パワートレーニングフェーズを終了するようにしました。

レーニング成果を得るためには、目標として設定したトレーニング量はこなしたいところです。しかしそのために、疲労が抜けない状態で無理してトレーニングして故障をしては本末転倒です。そのため、実行にあたっては、計画通りに進まなくても柔軟に対応するように心がけました。

例えば、パワートレーニングフェーズの完了は3月の一週目までかかりました。当初の計画では3月からエンデュランスフェーズとしていたところですが、開始を一週間遅らせています。

また、レーニング日は特定の曜日に決めていません。疲労度によっては予定のトレーニングメニューをこなせない時もあります。仕事やプライベートの予定が変更になった時も同様です。そんなときにフレキシブルに対応できたのはよかったです。

この柔軟性を実現するために、クライミング以外の体力トレーニングは自宅の設備を使用し、ウォームアップ含めて1日1時間以内で行うようにしています。ジムへの移動時間もいらないので、よほど忙しい日でもなければ、トレーニング時間の捻出は特に問題ありませんでした。

4月~7月のトレーニング計画

1月~3月の振り返りをふまえて、4月~7月は以下3つのテーマで計画しています。

 

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指の保持力トレーニングを本格的に開始

1月~3月は、右手はほぼ全力で保持力トレーニングが行なえてましたが、左手はリハビリに終始していました。フルクリンプを除いて痛みが出ない状態になったので、左右ともに保持力トレーニングを本格的に開始します。

プログラムは、「クライミングで指にかかる負荷をデジタルクレーンスケールで可視化してみる」で紹介したThe Simplest Finger Training Programに沿って進めます。しかし、ストレングスを強化するRecruitment Pullsは、指を曲げる筋力に最大出力近い負荷がかかり、リハビリ明けに行うのは不安があります。そのため、少し負荷が軽く、代わりに少し長い時間負荷をかける、3-6-9 Hangboard Ladderで代替する予定です。

www.climbing.com

 

またリハビリの最終段階として、痛みの残るフルクリンプにも少しずつ負荷をかけていきます筋組織/軟部組織の肥大を狙って、20~40秒で保持しきれなくなる負荷をかけるようにします(Density Hangs)。

引き続き体力トレーニングのサイクルを回しつつ、クライミングの時間を増やす

1月~3月は、体力トレーニングのサイクルをとりあえず1周回してみたといったところです。そのため次のサイクルは、同様にもう1周サイクルを回してみて、体力がどの程度向上するか評価するつもりです。

しかし1月~3月はリハビリで思うように登れなかったこともあり、ライミング時間が少なかったので、その時間を増やします

「【書籍紹介】Logical Progressionで紹介したLogical Progressionでは、25-75ルールを推奨しています。これはトレーニング時間の割合を表しています。クライミングシューズを履かないで行う体力トレーニング時間を25としたら、クライミングシューズを履いて行う実際のライミング時間は75程度がよい、というガイドラインです。ライミングはスキルスポーツなので、向上させた体力は、実際のクライミングで活かせるように適応させる時間が必要ということですね。

先に挙げた2月~3月のパワーフェーズでは、体力トレーニング11時間に対してクライミング14時間でした。割合で言うと44-56で、やはりクライミング時間が足りません。リハビリのために意図的にクライミング時間を抑えていたので、ライミング時間は20時間くらいに増やせそうです。その上で、体力トレーニングをもう少し効率的にできるように工夫して、25-75ルールに近づけるようにしていくつもりです。

基礎的な体力トレーニングはフォームを意識する

1サイクルの体力トレーニングを行う中で、フォームの乱れに気づいたメニューがいくつかありました。それらは、適切なフォームで行えるようになるまで、少し易しめのワークアウトに後退(リグレッションします。Pistol SquatにおいてTRXの補助を入れたり、片足でのルーマニアデッドリフトを両足でのダンベデッドリフトに変更するなどです。

何よりも新たな故障を作らないように気をつける

計画としては、久しぶりに、ほぼ全力でトレーニングとクライミングに打ち込めるサイクルになります。ここで前のめりに打ち込み過ぎて新たな故障を抱えることは避けたいところです。そのため、サイクルの冒頭に1週間のレストを入れ、前サイクルで蓄積した疲労を抜いてから新たなサイクルに臨むようにします。トレーニング期間中も、体から感じる疲労のシグナルには十分に耳を傾けて、十分なレスト期間を取るつもりです。