2020年9月のリハビリとクライミング

左右中指の関節炎リハビリを始めてから1ヶ月強が経ちました。三歩進んで二歩下がるような状況ですが、少しずつ前に進みながら、クライミングも再開しています。 

リハビリの状況

8月下旬にリハビリを開始。病院での施術やセルフでできる対処などを行い、3週間ほどクライミングはレストしました。施術の内容や効果などは、リハビリ完了後に機を改めて評価したいと思います。

レスト後に、少しづつ指に負荷をかけ始めました。始めてから感じたのは、思ったより回復には時間がかかりそうだという事でした。

写真のようにプーリー(滑車)を介して、18mmのエッジで少しづつ負荷をかけたところ、8.75kgで左手側に痛みが出ました(片手オープンハンド、3本指、30秒)。痛みと言ってもシャープな痛みではなく、最も痛いと感じた時の痛みを10としたら、1か2程度の痛みですが、この負荷で痛みが出ている以上、痛みが出なくなるまでは負荷を上げずに体を慣らす必要があります。

通常のクライミングにおいては、18mm程度のエッジであれば、片手で3〜40kgの負荷がかかるシーンはザラにあるので、だいぶ先は長い印象です。前回立てたピリオダイゼーション計画も、一旦保留にして、リハビリを最優先にすることにしました。

 

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グラフが下降しているところが、痛みが出てセットバックしたところです。30秒程度の負荷と十分なレストにより、腱・靭帯組織の肥大化が期待できるので、30秒保持できない負荷量になるまでは、このやり方で徐々に負荷を増やしていくつもりです。

2020年9月のクライミング

まだクライミングジム通いも再開してないですが、月末(9/29)になって、岩には一度だけ行きました。岩なら、ハンドサイズ以上のクラックであれば、指に負荷をかけずにそれなりにクライミングができますし、ノーハンドスラブなどでも遊べます。

ということで、ピラニアオーナーの山森さんこーへーさんが素敵なクラック課題を開拓しているエリアでクラックボルダリングを楽しんできました。

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左の「阿片窟の男」はクラックにチョックストーンと流木が詰まっていて、手持ちのナッツキー一本では掘り出せずに断念。右のつるつるワイド「遥」にチャレンジしました(課題名の素敵な由来はこちらのブログエントリーを参照)。

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「遥」は下向きのフレアワイドで、手も足も出ませんでした。何とか挟まることはできるものの、動こうとすると体が吐き出される感じで、ワイドのテクニックがかなり求められそうです。宿題。

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上はアプローチシューズで登れる階段状のワイド。舐めて登ってたら抜け口のチョックストーンがグラっときてひやひやしました。手が容易に離せるので、リービテーションの練習にもいいです。

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上は「正統派」という名前のワイド。今まであまり使ったことのなかったチキンウィングが自然に使えて、いい練習になりました。右向きで登りましたが、左向きでもいけるようなので、またやってみたいところです。

10月以降の展望

ピリオダイゼーション計画の修正

当初の計画では10月からビルドアップ/マックスパワーのトレーニングに入ることを考えていましたが、十分なリハビリが必要と判断して、計画は一旦ご破算にします。最大負荷をかけても指に痛みが出ないようになるまではリハビリを継続するつもりです。

 

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岩場でのクライミングはワイドクラックと向き合う

2020年の秋は、指のリハビリに注力しつつ、岩ではワイドクラックと向き合あうことにします。せっかくなので、Pete Whitteker著「CRACK CLIMBING」のオフイドゥスの章を読み直して、記載されているテクニックを色々と試してみたいところです。

 

Crack Climbing: Mastering the skills & techniques

Crack Climbing: Mastering the skills & techniques

  • 作者:Whittaker, Pete
  • 発売日: 2020/01/15
  • メディア: ペーパーバック
 

 

「CRACK CLIMBING」は、Rock&Snow No.089の書評で中嶋渉さんが触れている通り、「読者が必要なテクニックを探して読みやすい構成になって」います。今回のようにオフウィドゥスの課題に行き詰まった時に該当の章を読めば、実践に活かせる気づきがあるはずです。

例えば、オフイドゥスのムーブについては「CRACK CLIMBING」P.167〜に、以下のように記されています。

もし1分あたり1インチ(2.54センチ)しか進んでいないとしたら、何かが激しく間違っている。

(中略)

よくある誤りは、上に進む推進力を得るために、クラックの内側にある体のパーツを使おうとすることだ。クラックの内側にある体のパーツに集中し過ぎて、上に進む推進力を生む最も重要な体のパーツを忘れてしまう。それは外側の脚/足だ。

 

(以上 管理人超訳

これを読んだ後で「遥」でのクライミングを思い返してみると、クラックの内側にある左手をよいジャミングポイントに決めて、それに頼って体を強引に引き上げようとすることに躍起になっていました。しかし、クラックの外側は腕も足もしっかり固定できていないので、体が吐き出されて落ちていたように思います。次回は「外側の腕と足の固定」と「外側の足で推進力を得る」を意識して試してみます。

 

また、その他いろいろワイドクラックボルダーにチャレンジしたいので、よい割れ目があれば是非教えてください。