2020年目標の再設定と年末に向けたピリオダイゼーション計画

 

前回前々回で管理人の肩のリハビリの状況を共有しました。その中で少し触れたのが左右中指の関節炎です。昨年の10月に1ヶ月のレストを行い、一気に治してしまいたかったのですが、完全に治りきらずに一年近く経ってしまいました。結果として、自身の弱い環と捉えている保持力のトレーニングは遅々として進まず、痛みの出ない範囲のリハビリ的なトレーニング・クライミングが続いています。

年内に達成したいクライミングの目標を見据え、改めてこの故障と向き合って治した上で進むのが最も早道と考え、計画的に取り組むこととしましたので、その内容を今回は紹介します。

2020年目標の振り返りと再設定

2020年の目標は、本ブログの立ち上げ前に、以前書いていたブログにエントリーしていました。その中で全体目標としては以下二点を挙げました。

8月時点で両方未達の状況です。残り4か月で両方達成するのは厳しく感じるのと、そもそもボルダリング検定は今年は開催されない可能性もあることから、一点目の「二段の課題を一本完登する」に目標を絞ることにします。

また、目標達成に向けた指標として、怪我の状況を以下4点トラッキングすることとしていました。

  1. 肩インピンジメント 現状維持し、クライミングを通して痛みが出ない
  2. 指PIP腫れ 現状維持し、クライミングを通して痛みが出ない
  3. 左ゴルフ肘 治癒し、クライミングを通して痛みが出ない
  4. その他、新たな故障部位を作らない

このうち1、3、4は達成できていますが、2が未達で、登るたびに左右中指のPIP関節炎の痛みに悩まされています。やはり今あらためてしっかり治してから次に進みたいところです。

年末に向けたピリオダイゼーション計画

計画を組むにあたり、今まできちんと実行したことのなかったピリオダイゼーションの考え方を組み入れています。ピリオダイゼーションについては、知識としては知っていましたし、なんとなく頭の中で一定期間毎にトレーニング内容を変化させることはやってましたが、きちんと計画を可視化して実行したことはなかったので、この機会にやってみることにしました。

ピリオダイゼーションの組み方については、様々なクライミングレーニング書籍で解説されていますが、PUMPクライマーズアカデミーから出ているクライマーズ・バイブルが最も包括的かつ具体的にまとまっており、今回の計画の参考にしました(ピリオダイゼーションを含むプランニングは下巻に収録)。

pump.ocnk.net

全体スケジュール

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2020年末までのピリオダイゼーション

クライマーズ・バイブルではピリオダイゼーション・サイクルを大きく以下4種類に分類しています。

  • クロサイクル・・・1年間のスケジュール
  • バイサイクル・・・2~4か月
  • メゾサイクル・・・4~8週間
  • マイクロサイクル・・・1週間

今回、2020年末までの4か月強の期間になりますので、バイサイクルを基本にスケジュールを組み立てます。今回、指の関節炎解消のためのレストをスタート地点として、3~4週間単位ごとに、回復系能力(ローカル・エンデュランス)、瞬発系能力(ビルドアップ/マックスパワー)、持久系能力(ミドル・エンデュランス)をターゲットとしたトレーニングサイクルを設定します。

12月は最も集中して岩場の課題に取り組む期間としたいことから、ピーク維持のため、DUPサイクルとします。DUPサイクルはマイクロサイクルの組み立て方の1種です。1週間の中でボルダリング、ミドル・エンデュランス、ローカル・エンデュランスをミックスして行うもので、ピークのキープが主目的となります。

個別スケジュール

レスト

今回の計画で最も重要な期間なので、痛みの改善をチェックし、必要に応じて延伸します。この期間に、いくつか関節炎に対する新しいケアも試みるつもりです。

保持力

管理人の弱点は山程ありますが、最も弱い環は保持力と捉えています。以前紹介した保持力とクライミンググレードの相関アンケート結果に当てはめると、管理人の保持力は、V7程度を登るクライマーの平均値に比べるとかなり低く、個別のプログラムを組む価値はありそうです。

保持力トレーニングのメソッドは、基本は、本ブログでも何度か取り上げている、

Dr. Tyler Nelson: The "Simplest" Finger Training Program - TrainingBeta

に沿って行うつもりです。

指のレスト明けにおいては、腱/靭帯などの軟部組織回復を穏やかに行いたいので、30秒程度継続できる負荷のぶら下がり(Duration Hangs)を4週間ほど組んでいます。

その後、最大出力を鍛えるRecruitment Pulls、接触筋力を鍛えるSpeed Pullsを行った後、持久力強化としてRepeatersを行います。RepeatersはTyler Nelsonのプログラムには含まれませんが、7秒ぶら下がり3秒レストを6回繰り返す持久力強化を目的としたトレーニングです。

引きつけ

全体スケジュールのビルドアップ/マックスパワー期に合わせて加重懸垂やロックオフトレーニングを行うのに加え、仕上げにPower pullupsを行う期間を設定します。Power pullupsはストレングスだけではなくパワーも鍛える - May the friction be with you!でも紹介しましたが、スピードを意識した懸垂で、デッドポイントで求められる素早い引きつけを見据えたトレーニングです。

ジム

全体スケジュールに沿った負荷・量を設定するようにします。管理人の場合、ホームジムの2級を登るのに30分〜2時間程度かかるので、マックスパワー期にそのグレードをターゲットにしています。

またミドル・エンデュランス期は4×4をやるつもりです。登りとレスト合わせた1課題あたりの時間を1分として、1分×4課題を4セット行います(セット間のレストは4分)。

岩場

ピークを12月に設定していますが、それまでも具体的なターゲット課題を定めるために岩場には行くつもりです。元々、月に1〜2回行くくらいなので、トレーニングの大きな妨げにはならないと想定しています。

継続トレーニン

体幹、脚力、柔軟性のトレーニングは、1週間だけ完全レストを入れますが、その後は全期間で追い込みすぎないように継続します。

実行にあたって心がけること

上で立てた計画は全体計画なので、週ごとのスケジューリングとワークはスプレッドシートに記載して、チェックシート形式で実行管理していきます。実行管理はぶっちゃけ始めたのはここ2年くらいですが、単純だけど強力なツールと実感しています。計画は絵に書いた餅にならないように実行する事が大事ですので、今回もきちんと遂行できるように管理していきます。