自宅でできるピンチトレーニング

今回は管理人が自分で行ったクライミングレーニングの話です。昨年末から両中指の第一関節(PIP)が炎症を起こしていて、フルクリンプ・ハーフクリンプを本気で握ると痛みが出ます。オープンハンドやピンチグリップは殆ど痛まないので、それらのトレーニングを行っており、本日はピンチグリップのトレーニングを紹介します。

ホームトレーニングの解説集(covid-19による外出自粛対策) - May the friction be with you!

で、Covid-19の感染拡大を受けて、さまざまなトレーニング情報がシェアされているという話をしました。日本でも、外出自粛要請をふまえてか、自宅にフィンガーボードなどを設置するクライマーのツイートがちらほら見られますが、ピンチグリップの自宅トレはあまり見かけないので、この機会に紹介します。

といっても、ピンチホールドに重りをぶら下げて保持するだけの話です。ご存じの方は読み飛ばしていただければと思います。自宅での準備が比較的容易なツールなので、フィンガーボードを取り付けるのであれば、合わせて導入するといいと思います。

 トレーニングのやり方

冒頭に書いた通り、ピンチホールドに重りをぶら下げて保持します。

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実際のクライミングでは、腕を肩より上に上げて保持するシーンが多いので、完全にクライミングの動作特殊性に沿ったトレーニングではありません。しかし、ホームトレーニングでフィンガーボードにぶら下がる動きばかりしているのは肩に負担がかかり、必ずしもよいとは言えません(実際のクライミングを想像してみると、両腕が共に肩より上にあるシーンは意外と少ないことがわかると思います)。そのため、ホームトレーニングにおいては、腕を下げた状態で前腕のみをターゲットとしたトレーニングも組み入れた方がよいと、Tom Randollは言っています。

必要な道具

  • ピンチホールド
  • カラビナ1枚
  • スリング、ロープなど
  • 重り

ピンチホールド

専用の器具を買ってもいいですし、自作も簡単にできます。上の写真ではGstringという器具を使いましたが、もう少し広い幅のトレーニングも行いたいと思い、ホームセンターで購入したツーバイフォー材を張り合わせたピンチブロックも作りました。

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ツーバイフォー材をホームセンターでカットして穴まで空けてもらえれば、あとは木工用ボンドで貼り付けて、スリングを通すだけで出来上がりです。

もちろん専用の器具を買ってもいいです。保持面にアールがついていてエルゴノミックなので、痛みなどのストレスは少ないですし、クリンプホールドも付いているので、道具一つで多くのホールディングに対応できるのがメリットです。Tension climbingが有名ですが、Lattice Trainingが新しくピンチブロックを発売しており、オンラインアセスメントとその内組み合わせてきそうで注目です。

上記のインスタ記事ではBFR(血流制限)トレーニングとの組み合わせも推奨されてます。BFRレーニングは以下の記事でまとめてますので参考にしてください。

takato77.hatenablog.com

重り

ぶら下げる重りはなんでもいいのですが、重量を調節できた方がよいので、ダンベルなどがあればそのプレートを使うのがよいです。それがなくても、ペットボトルに水を入れてカバンなどに詰めても十分だと思います。下のFacebookリンクなど、極めてコスト安です。

アセスメント

レーニングに先立って、自分が持ち上げられる限界重量は見極めて、トレーニングの目的に沿った適正重量を決められるようにしておきます。何度か重量を変えて保持してみて、10秒で限界になるくらいの重量を確認しておきましょう。

何度も重量を変えて試行錯誤する必要がない方法として、体重計を利用してピンチ力を計測する方法もあります。ぶら下がれるバーなどがあれば、そこにピンチブロックをぶら下げて、体重計に乗ってピンチブロックを思い切り引くと、体重計の目盛りが減りますので、自分の体重との差分がピンチ力になります。これはMAX100%の数値になるので、トレーニングは9割くらいの重量で行うとよいでしょう。

自分の場合、左右ともに10.0kgくらいでしたので、9kgの重量をぶら下げてトレーニングしてます。

レーニング負荷やプロトコルについては、エネルギーシステムを意識したクライミングトレーニング(ATP-CP機構 vol.2) - May the friction be with you!に記載した内容が、ピンチトレーニングにおいても適用可能ですので、参考にしてください