先日、自宅のダンベルを新調しました。理由は単純に、ワークアウトに必要な重量が足りなくなってきたからです。 元々は、手動で重量を変えられる、片手15㎏・両手合わせて30kgのダンベルを使用していました。クライミング自体が体力トレーニングになると考え…
クライミングトレーニングにおいて、重りを背負うなどして体重を重くした状態でクライミングをする「加重クライミング」というトレーニングがあります。 最近いくつかの文献を読んだり、クライミング関連のWebページを眺めている中で、「加重クライミング」…
9c Ultimate Climbing Testをご存じですか。これは懸垂やハングボードなど、複数のクライミングに関連する体力測定結果を元に、クライミンググレードを推定するテストです。2020年11月に、マグナス・ミトボ(ノルウェーのクライマー・YouTuber)が動画を上げ…
先日、デジタルクレーンスケールを買いました。デジタルクレーンスケールというのは、要するにバネ計りの事で、重さを計測したいものをぶら下げると数値を出してくれるものです。 購入したものは、言い方は悪いですが安物で、Amazonで検索して一番安そうなの…
競技力向上のためのウエイトトレーニングの考え方 作者:河森 直紀 発売日: 2020/09/10 メディア: 単行本 本書は、タイトル通り、「ウェイトトレーニング」が「競技力向上」につながる理由を教えてくれる本です。 本ブログを読んでくれる層の大半を占めるフリ…
2020年の振り返り 2020年を一言で言うと我慢の年でした。元々、ジムや岩に行く回数が少ないので、コロナ禍自体の影響は余り無かったですが、怪我を治し切れず、トレーニングもクライミングも思うようにできなかったのが辛かったです。 2020年の振り返り 岩場…
以前のブログ記事で紹介した書籍Logical Progressionでは、トレーニングのピリオダイゼーションに加えて、Practice=練習についても一節を割いて方法論を解説しています。その中で、自分のクライミングフォームをチェックするために、専用のアプリを使用する…
Logical Progression, Second Edition: Building Training Programs for Year-Round Climbing Performance (English Edition) 作者:Bechtel, Steve,Stewart, Kian 発売日: 2020/06/18 メディア: Kindle版 本書はクライミングトレーニングのピリオダイゼーシ…
プロクライマーのジョナサン・シーグリストは、7月下旬にマウンテンバイクの事故で左の肩鎖関節を脱臼しました。以下動画のインタビューはARC'TERYXが主催するコミュニティイベントのもので、受傷から5週間のリハビリ内容と回復状況を共有しています。プロク…
Black Diamondから発表されたクラックグローブを購入しました。岩との摩擦により手の甲を中心に擦り傷ができやすく、それを防ぐためにテーピングを行う人が多いですが、クラックグローブはテーピングを着脱可能なグローブで代替するものです。既にOCUNやOutd…
有酸素機構のエネルギーシステムトレーニングについて、前回はクライミングに即したトレーニング(ローカルエンデュアランス)の方法を紹介しました。今回はランニングやスイミングなど、一般的な全身を使った有酸素運動の効果や必要性について確認します。 …
有酸素機構のエネルギーシステムトレーニングについて、前回は体内での生化学的なメカニズムを紹介しました。今回はそのメカニズムをふまえた、最適なクライミングトレーニングの方法論を紹介します。 有酸素機構のトレーニングとしては、クライミング に即…
前回までに、ATP-CP機構、乳酸性機構のエネルギーシステムトレーニングを見てきました。今回は最後の機構として、有酸素機構を紹介します。 運動を有酸素運動と無酸素運動に分けると、クライミングは瞬発的な要素も多く、無酸素運動のイメージが強いです。し…
左右中指の関節炎リハビリを始めてから1ヶ月強が経ちました。三歩進んで二歩下がるような状況ですが、少しずつ前に進みながら、クライミングも再開しています。 リハビリの状況 2020年9月のクライミング 10月以降の展望 ピリオダイゼーション計画の修正 岩場…
今回は管理人の自宅に新しいフィンガーボード(Lattice Testing & Training Rung)を設置したので、そのノウハウを紹介します。といっても、今回は、壁に直接穴を空けて据え付けていますので、賃貸住宅等で壁に穴を空けられない場合の参考にはなりません。そ…
前回までに乳酸性機構のエネルギー出力の仕組みとクライミングトレーニングを確認してきました。今回は、乳酸性機構によるエネルギー出力を長持ちさせるサプリメントであるベータアラニンについて紹介します。 ベータアラニンが日本のクライミングシーンで市…
前回は、運動時に体内で起きている乳酸性機構の生理学的なメカニズムを紹介しました。今回はそのメカニズムをふまえて、30秒以上ハイパワーを継続するクライミングに適応するための効率的なトレーニング方法論を紹介します。 前回までの記事は以下を参照くだ…
だいぶ間が空いてしまいましたが、以前紹介したエネルギーシステムトレーニングの続きです。 今回は乳酸性機構です。瞬発系の運動と持久系の運動の中間にあたるような運動で主役となります。今回は体内での生化学的なメカニズムを確認し、次回はメカニズムを…
前回、前々回で管理人の肩のリハビリの状況を共有しました。その中で少し触れたのが左右中指の関節炎です。昨年の10月に1ヶ月のレストを行い、一気に治してしまいたかったのですが、完全に治りきらずに一年近く経ってしまいました。結果として、自身の弱い環…
前回は、肩のリハビリの記録として、管理人の肩の症状・診断結果・治癒までのタイムラインなどを紹介しました。今回は、具体的に行ったリハビリ内容や、リハビリ終了後も故障予防のために継続しているエクササイズを紹介します。各エクササイズの理論的な背…
今回は、管理人自身の故障に対するリハビリの状況を、自身の備忘もかねて紹介します。主要な部位では、肩、肘、指で故障歴があります。そのうち、肩は概ねクライミングに支障がない状態まで回復しておよそ半年経ち、現在まで問題なく登れているので、リハビ…
スコットランドのクライマーDave Macleodが、履修している修士課程研究の一環として、クライマーの食生活に関するアンケート協力を呼びかけています。アンケート集計結果は、論文としてまとめてクライマー社会に還元するとのことです。30分程度で終わる内容…
本ブログでは、主に英語圏のクライミングトレーニング情報を中心に噛み砕いて共有するスタイルをとっており、情報源は管理人が趣味でザッピングしているyoutubeチャンネル、podcast、ブログ、それらの引用元の論文です。 英語圏のクライミング情報は10年くら…
前回は非ステロイド系抗炎症薬の常用によるリスクについて考察しました。今回は、同じく炎症を鎮める手段であるアイシングについても触れておきます。 野球でピッチャーが登板した後に肩をアイシングするのと同様に、クライミング後に指をアイシングする事が…
クライミングを続けていれば、指や肘の痛みは多かれ少なかれ経験することと思います。痛みの原因は多くが腱組織の炎症であり、これらの痛みを取り除くため、ロキソニンやボルタレンなどの抗炎症薬を使った経験がある方も多いのではないでしょうか。 抗炎症薬…
The Hard Truth: Simple Ways to Become a Better Climber 作者:Hampton, Kris 発売日: 2020/05/14 メディア: ペーパーバック "Hard Truth"とは、「厳しい現実」「受け入れがたい真実」といったような意味です。本書は、なかなかクライミングが上達しない人…
ピンチグリップのトレーニングは、以前ピンチブロックに重りをぶら下げて保持する方法を紹介しましたが、もちろんクライミングウォールやハングボードにピンチホールドを取りつけて自身がぶら下がる方法も可能です。 例えば上のInstagram画像のように、緩傾…
先日発売されたRock&Snow No.88は、先日に事故で亡くなった杉野保さんを追悼し、杉野さんと親交のあった多くのクライマーが追悼の辞を送っています。改めてその偉大な足跡と失ったものの大きさを再認識するとともに、氏のスタイルに対する拘り、特にオンサイ…
本ブログで何回か紹介しているTrainingbetaのPodcastで新しいエピソードが公開されていました。今回のテーマはストレッチです。 www.trainingbeta.com ストレッチについては、クライミング前後のウォームアップ、クールダウンであったり、クライミングに必要…
クライミングのトレーニングについて書籍やオンライン記事を読んでいてよく出てくるのが「パワー」と「ストレングス」という言葉です。 以前の記事(クライミングの特殊性を考慮した懸垂のバリエーション - May the friction be with you!)でも少し触れたの…